a day in the gatela

主に趣味のギターにまつわる内容を書いています。コメントや質問等、お気軽にどうぞ。

Canon

俺は数年前に突如カメラでいろいろな物を写したくなって、家電屋でSONYのコンパクトデジタルカメラを買った。
DSC-h10というヤツだが名前は手放してから覚えた。


その頃はカメラの知識乏しく、まずはちょっとレトロチックなフォルムがカメラってこういう形だよなぁと
心の糸に触れたこと。その頃はみんな四角形の凸凹の無い能面なカメラが多かったから余計だ。
もう1つはレンズに誇らしげに書いてあるツァイスの名前。それがどんなモノかは知らなかったが、昔読んだ
小説で「レンズはツァイス。間違いないだろ?」という台詞があって、このカメラを見て思い出したこと。


カメラを手にして、しかしどうも不可思議なことが起こった。俺が、反社会的思想に触れ社会を斜めから見上げ、
群れることを嫌い、尖った性格をしていた俺が、花の写真を数枚撮った。家に帰って少し落ち込んだ。
俺は別に花を好きな訳でもなし、これは本当に俺が撮ったのか?そうではない、カメラに撮らされたんだと。
いや、カメラ、写真の世界はオソロシヤ。この俺が花などを構図まで考えながら撮らされる現実。


その時に決めた。俺はもう花を写すまい。自分が好きで始めた趣味の世界。
自分の趣味じゃないものまで及ばすことは無い。
コレからは苔、壁、寂れた街、男の背中、空き缶、剥がれたシール、錆びた鉄、捨てられた雑誌等を写して行こうと。
世を見て未練を感じるなら、それこそ写すべきだと。



1年程使って残念なことが起きた。通勤カバンの中に無造作に入れていたDSC。フト
立ち寄ったコンビニエンスストアで財布を取り出す時にカバンを落としてしまい、その衝撃で背面液晶が割れた。
コンパクトデジタルカメラは背面液晶が命だ。いくらメニューボタンや再生ボタンを押そうと、確認が出来ない。
フロントガラスを磨りガラスに変えた車に乗るようなもので、写真を撮ることができても、設定も確認もできない。
乗れない車になった。


すぐに次のカメラをさがしたが、実は欲が出てきた。どうせ買うなら1眼レフってヤツにしようと。
雑誌やWEBではこんなにキレイに撮れる、撮影者の思いのままって書いてある。
情報を集め出したらキリがない。今は情報化社会だと思い知った。CanonSONYOLYMPUSPENTAXNikon
パナソニック
いつの間にかタバコを覚えた頃を思い出した。アノ頃は何でも良かった。とにかくパッケージやなんとなくの気分で
いろいろ吸ってみて、次第に自分はコレと決まった。今はもう辞めたくて仕方が無いタバコも、思い出として案外い
ろいろあったなぁと一服しながら考えた。


そんな様子を見ていた嫁は俺をカメラ屋に誘った。「買うなら専門の店のがいいでしょ。」至極当然。すぐにエンジ
ンをかけ、自宅から10キロ程北に走って到着。モニター越し或は新刊のピリリと捲るカメラ雑誌とは違い、すぐそこに
置いてあり手に取るのが少し恥ずかしい気持ちだった。


なんたってオート以外知らない。出来る事は「持つ」「ファインダーを覗く」「シャッターを押す」「背面液晶を見る」
の4つ。なかでもファインダーを覗くことに気恥ずかしさがあった。
NikonD60にしよう。うんコレ欲しい。」

ほとんど直感だった。すぐに購入し店員と話しているとカメラバッグやレンズフィルターや液晶保護フィルター等等おま
けの嵐で驚いた。


それからは常にD60と行動を共にした。むしろD60に行動させられていた様だ。夏のウダルような日にわざわざ写真を撮
りに出掛ける、冬のシバレル寒空の下で被写体を探す、どっちもカメラを手にするまではあり得ないことだった。


「レンズが気になる」
そう思ったのはそれから数ヶ月経ってのこと。Wズームキットという標準レンズと望遠レンズの2本をとっかえひっかえ出
先でやっていると、どうしてもすぐに写せない瞬間がある。なんとか1本にならないモノか。そんな時にカメラ雑誌の裏表
紙に広告が出ていたのはタムロンの高倍率レンズ。これでいいじゃん!最高じゃん!としばらくは使い倒した。


不思議なもので、次第に高倍率って要らなくなってきた。飽きる。なんでもかんでもズームで撮りゃ良いってモンじゃない。
気になるのはF値ってヤツになってきた。明るいレンズとはいかなるモノか。そんな時、我がNikonから出たレンズを買った。


ついでに、といってはイケナイがカメラをD90に新調した。


さらに単焦点つながりでシグマのdp1も購入。

いやはや、正直dp1には驚いた。これがコンパクトデジタルカメラの写りかとビックリした。何しろ細かいトコまでシッカリ写る。
はっきり言ってD90より良く写っている結果もあった。その上で残念なこともあった。夕方以降は使いにくい。ISO400以降は使い
たくないからだ。それでも周りの評判で「動きが遅い」「待たされる」「素人には難しい」「使いにくい」「じゃじゃ馬」という
悪評は実はこれっぽっちも感じなかった。ともするとそれは、そこまで俺が使い込んでいないのか、周り程画像に頓着が無いのか
解らないが、充分使えるし、なにより使っていて楽しいカメラだと思った。


それからはすっかり単焦点の魅力にハマり自らが寄ったり離れたり、ハタから見りゃ不器用で気持ち悪いオッサンになって行く。
単焦点の使い方が解ると使ってみたいのはPENTAXだ。カメラに興味を持ち、レンズを調べ始めると多くの人がこの情報を目にするはず。
個性的な単焦点レンズが豊富なPENTAX。はたしてどんなものか。そう思っている時に発表されたPENTAXk-x。しかもカラーが選べる。
発表されたばかりの時は様子を伺っていたが、知人が購入したと聞き「なら俺も」と節操もなく飛びついてしまった。


一緒に買ったのはDA40mmF2.8limited

これでいろんなところに行った。このレンズは実は使って解ったのは写りはそこそこで、小型軽量故に如何様にも持ち運び出来る機動性が
なによりの長所だ。なら、行かねば。せっかく買ったんだしドシドシ写そうとk-xの小型軽量と高感度の使い勝手の良さと合わせてお出かけ
には必ずと言っていい程持ち歩いた。


おかしなモノでズブズブとカメラ、レンズの魅力に魅せられるとドンドン欲が出てくる。PENTAXは案外使える、なら我がNikonはどうなのか?
D60k-xの立ち位置(世代の差はある)として、高機能高性能なカメラを使ってみようじゃないかとD300sを購入。この時点で家庭内ローン
を嫁に依頼しながら買うようになった。


そしてやはり単焦点も気になり手をだしたのがコシナ。マニュアルフォーカスとはいえ、前から一度は使ってみたと思っていたし、PENTAX
DA40mm的な使い勝手を求めて使い始めた。

思ったのはこのultron40mmは、繊細。Nikonの35mmやDA40mmと比べて淡いとでも言おうか、線が細いとでも言おうか、なんとなくだけど
すぐに好みだなと思える結果が出た。
そこで、もう解る人には解ると思うけど、次の欲といえばこれしかないでしょ。ultron40mmを本来の40mmで使ってみたい。
しかし、その為にはフィルムの1眼レフに行くか、D700に行くか。正確にはフィルムの1眼レフは既にその頃使ってはいたんだけど、現像代がい
かんともしがたい。イニシャルコストさえクリアすればD700だ、答えはこれしか無かった。



同じく

も購入。


それからはほぼD700D300s。最近はちょっとしたお出かけ用にNikon1。
広角の単焦点を今期購入したら、しばらくはこの3カメラと数本のレンズで良い。


世は世代交代が盛んだ。
NikonはD800、D800E、D4。さらにD400とD600の話もある。今回書いた以上にいろいろと手を出してしまっているし、正直ちょっとついて行
けないし行く気もない。俺みたいに生業ではなく趣味でやっている以上、ムリをしては楽しめない。てか充分ムリをしてきた。しばらくはこれでいく。


そう思って、強く思って、自分に言い聞かせてるのに、
ここに来てCanonの5Dmk3が気になるのはなんだ?
気のせいか?気がふれたか?
マズいぞ、このままじゃ。
ああ、マズいぞ。




今日のGBM Nat King Cole 「  L.O.V.E 」