とはとんとご縁が無く。
小学生の頃、親父が拾ってきた真っ黒な子犬を飼ったが、
俺が頭をヒッパタイて動物虐待を行ったところ、おそらく
親の耳に入ったんだろう。数日後には家から居なくなった。
しばらく経って、高校生の頃にあまりに体重が激増し、早朝にランニングを始めた。
かつての母校のグランドを走っていたら、大きな野良犬がもの凄い勢いで俺を追いか
け回し、俺はビビってテニスグランドに逃げ込んだ。
テニスグランドはボールが飛び出さないように周辺ぐるりとフェンスがあるので、
恰好の非難先だったが、困ったことにフェンス越しに追いかけてきやがる。
出られなくなってしまった。
しばらく睨合いの状態が続き、こうなりゃ根比べだと座り込んだ。
ヤツは５分程ワオンワオンと威嚇し犬歯を見せつけ、完全に勝利を確信してどこかに
消えた。
俺はそれ以来、犬にはご縁がないし、今後も自ら求めることはない。
