がうっとおしくて寝られない日々。
息子が俺に尋ねた。
「お父さんって、いつもギター弾いてライブやって。ミュージシャンなの?」
小学4年生の長男は父が普通でない特殊な仕事をしているのではないかと勘ぐっているようだ。
「お父さんは、ギターが好きだしライブもCDもあるけど、ミュージシャンじゃないよ」
笑顔で答える。俺は自分の事をミュージシャンだと思ってはいない。
息子はまた俺にきく。
「お父さんて、いつもカメラ持ってるけど、カメラマン?」
俺は答えた。
「写真展もやるしいつも撮影してるけど、カメラマンじゃないよ」
笑顔で答える。俺は自分の事をカメラマンだと思った事は無い。
ただ、好きなだけ。
好きなように弾いて歌って、好きな景色や好きな人を好きなように撮る。
「俺は、お父さんじゃないよ。雲のジュウザだよ」
そう言って俺が小学4年生で出会った漫画を、北斗の拳を貸してやった。